'10 Christmas



「写    真」


「・・・・シャルル・ド・ゴール空港も雪のため離発着が・・・・・・」

TVがコートを被り椅子に眠り込む人々を映し出していた。


「あら!ねえチュンサン、チェリンたち大丈夫かしら」

「チェリンならサンタのソリに掴まっても飛んでくるよ」

「まぁ、チュンサンたら」


窓際に引っ張り込んだ椅子から立ち上がり、チュンサンはユジンの隣に腰掛けた。


「それにチュンソンも一緒だろ。きっともう空の上か、ソウルに着いてるさ」


「心配しなくてもいいよ、ユ・ジ・ン」肩を引き寄せ髪に唇を寄せる。


「・・・・チュンサン・・・・」頬を上気させたユジンが囁いた。







「はい!はい!はい!そこまでね」

呆れたようにビョルが声を掛けた。

「あのね、ここはソウルなの。毎日二人ッきりのニューヨークじゃないのよ」

困ったように目を逸らしながらビョルを見つめるユジンとチュンサン。







今日12月25日クリスマス
世界中が寒波で震え上がっているよりによってこの日



パパ、そうチュンサンが今年の初め、なにげにつぶやいた一言から始まった。



「みんな集まって写真を撮らないか」



乗りのいいパパたちの友達は当然、私たち家族だってふたつ返事でオッケー


それからが大変、みんなの集まれる場所、日時・・・・・・・・

これを取りまとめるのがこんなに時間が掛かってしまうとは思いも依らなかった。


大学生のわたしやミンソン兄さんはどうにか成るとして、肝心要のパパのスケジュールが

来年は疎か再来年まで詰まっていて、

チェリン(おばさんッて言ったら大変)にしても、事務所を通さなきゃ日程がわからない。



春川のおばあちゃまやヒジン叔母ちゃまは

「いつでも行けるわよ、でも遠くはダメよ」



サンヒョクおじちゃまは

「ウンヒと母さん次第だな、父さんは・・・その時だよ、

でも僕も遠くはダメだよ。仕事を簡単に休めないからな」




みんな「いいよ、いいよ」って言ってくれても「・・・でもね・・・」が必ず入る。




もうこれはいよいよ計画倒れかなって、キム次長さんに相談をしてみた。


すると「ビョル、妙案が・・・・・・」と、にやりと口の端を上げた。








 === セウングループ・ソウル支店

  マルシアン 記念祝賀会 ===

日時:12月25日  午後5時から

会場:   新羅ホテル








「これなら皆さん大手を振って参加できるでしょう」

キム次長が豪華な案内状を見せてくれた。

「え〜え〜!!!いいの?」

「いずれやらなきゃ成らなかったんですよ、何周年記念かなんて誰も考えませんよ」



ホントはね、正東津のサンクルーズホテルでやりたかったんだけど、

予約が取れなかったんだ、それにソウルからは遠いしね。



キム次長の手品に見事に乗っかり、そうなんとクリスマスに決まった。


でも写真に入る人達は早めに集まることになっていた。







「誰?こんな寒い冬に集まれって言ったの!!」

チェリンの声がホールに響く。


「チェリンおばさんのスケジュールに合わせたらこうなったんです」


「もう、ビョルったら。チェリンになんてこと言うの」


「いいわよユジン、お陰でこうやってクリスマスにみんな逢えたんですもの。

でもビョル!今度おばさんって言ったら承知しないわよ」


「は〜い・・・・チェリン・・・」






「ではそろそろ並んでくれるかな」キム次長が声を掛けた。



チュンサンとユジン、その家族、

そして決してひとことでは表すことの出来ない大事な友

大きな笑顔で声を交わし、再会を喜び合っている。





「理事!!!座ってもらわないとシャッターが切れませんよ」


そんな人達の姿を残そうと、自らカメラを抱え撮り続けているチュンサン。


「あ!そうだった」




ドッと笑いが起き、

それを逃さずチュンサンのシャッターは切られた。












これからもよろしくお願いいたします。


お言葉をいただけますか?


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