街は、クリスマス気分で浮かれていた。
サンヒョクはチェリンに電話を掛けた。
「今日、時間ある?」
「ないわよ! 今は忙しい時期なんだから!」
「・・そうか・・スマナイ・・じゃあ」
サンヒョクは受話器を置こうとすると、チェリンの声が聞こえた。
「ちょっと! あなたは私に話があるんでしょ!」
「・・はあ。チェリンは相変わらずだね」
「どうするの?」
「チェリンさん。お時間いただけますか?(笑)」
「いいわ、付き合ってあげる」
チェリンの経営する店の近くの喫茶店で待ち合わせた。
チェリンはサンヒョクの正面に座ると、いきなり切り込み口調で言った。
「話って何? ジュンサンとユジンが結婚でもするの?」
「・・知っているの?」
「やっぱりその話なのね。そうじゃないかと思ってた・・
知っている訳じゃないわ。ユジンがNYへ行った事は知っているけど。
言っときますけど、私が、待っているだけじゃダメだって、アドバイスしたんだから」
「えっ?」
「私だって、これでも二人の応援しているのよ。知らなかったの?」
「・・・ジュンサンから電話が来た。結婚する決心したって」
「・・そう・・そうなの。・・まったくあの二人にはやきもきさせられたわ・・」
「ホント、そうだ」
サンヒョクとチェリンの会話は、しばらく途切れた。
「その・・チェリンには、教えておこうと思って」
「・・・」
「祝福してくれるよね?」
「当たり前よ! 誤解してない? 私が愛したのはミニョンさんなの!ジュンサンじゃないわ」
「そう。ありがとう」
「サンヒョクにお礼を言われる筋合いじゃないわ。ジュンサンの望みが叶ったんだもの。
ミニョンさんだって喜んでいるわ・・ だったら、私はいいのよ・・」
サンヒョクは曖昧にうなづいた。
チェリンは顔を上げ表情を作った。
「それで? それであなたは未練たらしい指輪をやっと外せたのね」
サンヒョクは無意識に左手を隠していた。
「この私が気付かないとでも思っていたの?
私たちに会う時だけ外したって、指輪の日焼けあとが残っていれば、分かるのよ。
鈍感なユジンは気付かなかったみたいだけど。」
「そうか-----。 ユジンは幸せになるんだよ・・
そうしたら、なんとなく指輪は外さなくちゃと思えたんだ・・ ユジンはお義姉さんになるんだし・・」
サンヒョクは思っていた。
(そう。ここ何年か頭で理解しようと努力していた・・やっと、そう思えたんだ。)
チェリンはつかつかと歩いてきて、サンヒョクの背中をバシッと叩いた。
「キム・サンヒョク! しっかりしなさいよ!」
サンヒョクは照れ笑いを浮かべた。
「チェリンだって、早く吹っ切れよ! 花の命は短い..とか」
「あなたに言われたくないわ!(笑)」
チェリンは早々に仕事に戻っていった。
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サンヒョクとチェリン
本家の脚本家さまのお話ではこの2人...ですね。
私も当初はこの2人で..と考えたのですが、どんなアクシデントを盛り込んでみてもある種戦友の域を脱することができませんでした。
ま、放送部6人で3っのカップル..と言うのもなんですので、この時空では..別の道を辿らせていただきます。