[プリンセス・・5文字の秘密] ボンボニエールの思い出
 


For life comes different on how we face it,
I always look at bright side.
To me, life comes as a turning point at every moment.


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空港から吐き出される人々、到着したはずのふたりの姿を車中から目を凝らして探す。

ー お出でになったようですよ ー 運転席から声が掛かった。

知らず知らず大きなため息を付いたようだ。
ー 大丈夫ですよ心配しないで ー 運転席の彼が明るい声を出した。
「ああ、ありがとう」

辺りを見回してヒョンがドアを開けた。
「申し訳ありませんでしたお父さん、お迎えに出ることが出来なくて・・・・」
「わかってるさ、ここまで来てもらって申し訳ないな」
「お疲れではありませんか、お母さん」
僕の手にそっと手を重ねて軽くポンポンと叩き「大丈夫よ」




思いがけない時間に鳴り出す電話のベルのように、僕の胸に突然と響き渡ったときめき。
嘗て恋と感じたあの想い、嘗て愛と信じた心の痛み
その全てが溶け去るようにわき上がる胸の温かさ、しだいに激しい鼓動となって僕の躰を駆け巡る。




君を初めて見たとき、僕は周りのもの全てが消滅し、この世に君と僕だけになった気がした。
その美しい笑顔が僕をどれほど魅了したのか。
君と会うためだったら僕はどんなに厳しいスケジュールさえもこなすことが出来た。
ほんの僅かな逢瀬のために地球の裏側にさえ行くことも厭わなかった。
君の声すら聞くことがままならぬ虚ろな夜を幾晩過ごしたのだろうか。

あの夜
僕は君の手を握りしめ、君の目を見、君の心にささやいた。
君の頬を薔薇色に染まり、大きな目が潤むとき、僕は僕の未来をみつけた。

君の躰を僕の腕の中に抱きしめて、僕たちは歩き出す
君が僕の港なら僕は君の胸に漂う小舟
勝手気ままに彷徨い戻るところは生涯ただひとつ
僕の心と君の心が人生の共鳴を望みそして決めた



「あなたのプリンセスにはいつ会えるの」母の優しい声
「おまえが決めた子だ、俺達に異存などあるはずはないよ」包み込む父の声




大好きな金平糖をボンボニエールからそっと取り出し口に含む
ほんの少しのとげとげが舌に触る
いつしか丸くそして砕ける

何気ないそんなことさえも愛おしいと思える僕
だからこそ全ての家族に僕は胸を張ってこう言う

ー 僕の選んだ人を見てください ー


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いかがでしたでしょうか。
想像の翼が大きく広がることを祈って。

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