ー赤い糸の伝説を信じてます?ー
ー赤い糸の伝説?ー
ーまったくロマンチックじゃないんだからー
ーだって、あのふたりを見てると伝説なんかじゃないと思うんですがねー
ーそうだったわ・・・・ー
僕たちはクスクス笑った。
僕たちがあの二人に翻弄され続けたのは、あの忌々しい(オッと言い過ぎた)引っ越しからでしたね。
あの時
『よっぽど退屈なのか、一ピース一ピース記憶しておきたいものが・・・・』
なんて・・・・・。
今になって思えばまるで未来を予感させるような言葉だった、そう思いませんかチョンアさん。
それはキム次長だけが見ていたことよ、私はまだその時は知らなかったわ。
もっともスキー場で見た理事の運命のタロットにさえ、ユジンが絡んでくるなんて思ってもみなかったわ。
でも、スキー場のコンサートをサンヒョクが企画したと聞いたときは、アァこれでユジンもやっと落ち着く出来ところに落ち着くのねって一安心してたのに、あの騒動でしょ。
そうそう、仕事は押してるっていうのに・・・・・・・・・・。
なんでこんな昔話になるんですか。
ー赤い糸の伝説を信じてます?ー なんてオトメチョックなことを突然チョンアさんが言い出すからじゃありませんか。
どうしたんですか?何かあったんですか?私でよかったら相談に乗りますがね。
私じゃないの、ビョルよ。
ビョル?ビョル!ビョルが赤い糸って?
そうよ。
あの小さいビョルが・・・赤い糸!!
もう!キム次長の中じゃビョルはいつも小さい可愛いビョルなんだから、ビョルも大学生よ。
知ってますよチョンアさん、まるで私が惚けたみたいに言わないでくださいよ。
ビョルが赤い糸ねぇ。
だから誰か好きな人がいるのって聞いたら理事そっくりなポーカーフェイスで ー別にー だって。
そりゃ一筋縄にはいかないでしょ、なんせあの三人の兄に鍛えられてますからね。
あの三人を見て育ってどんな男性に心惹かれるのかって、密かに楽しみにしてたのよ。
チョンアさん得意のタロットでもわかりませんか。
キム次長、にやついてますね。
そ、そんなことはありませんよ。
何か知ってますね、次長。
いや・・ただ心当たりはありますよ。
誰?だれなの。
ちょっと耳を貸してくださいね。
・・・・・・・・・・・・
ほぉ〜彼なの?ホント?でもそれって・・・ユソン君は知ってるの
たぶん、知ってる思うんですがね。
じゃあ、理事は知ってるの
どうなんでしょうね。
もう、はっきりしてよ。
なんで私が怒られるんですか、チョンアさん。美味しいお酒がまずくなりますよ。
ねえキム次長、楽しくなってきましたね。
何がですか?
私たちまだまだたくさんの赤い糸を目撃できるじゃありませんか。こんな幸せな目撃者なんてね。
幸せの目撃者か、いいことを言いますねチョンアさん、でもね、そろそろご自分の赤い糸を探したら如何ですか。
もう、なんで思いっ切り背中を叩くんですか・・・・・・・・・。
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