Noel


100000カウンター
多くの方にご訪問いただきました、ありがとうございます。

彼と出会って3年目の春はもうすっかり落ち着いて・・・・・・なんて・・・・・嘘
ドキドキそわそわ・・・・・・わくわく・・・・・・

だから夢の世界で・・・・お会いしましょうね。


「100000」キリ番ゲットはutataneさん
リクエストは・・・・・・・・・・ありすぎて・・・・って・・・・・・
だからyoshinoがこれ幸いに
「きっとこれだろう」
と、勝手に決め込んでお届けします。


ー ['05サンタ・・4?文字の秘密] パーティの思い出 ー の謎の解明?

皆さまに感謝を込めて yoshino 06/4/20
         





『 ささやいて・・・僕の名前 』



僕とヌナの出会い?
まさかホントに知りたいの?


「いいか、女性が入ってきたらその人がターゲットだぞ」
「もし数人で入ってきたらどうする」
「いや、初めに来た人がお前が落とす相手、その次に来たのが俺の相手だ。いいな」
「ああ・・・」


大人たちがガキには教えたがらないお洒落なバーに僕たちはいた。


その頃の僕には気取ったお店より仲間でワイワイ騒げるお店が似合っていた。
その頃?そーだな10年くらい前かな。


鮮やかに振られたカクテルを舐めながら背中がドアを凝視していた。
スッと空気が流れた。

「いらっしゃいませ」
バーテンダーの声に馴染みの客への親しみが感じられた。
「こんばんは」の声とALLUREの香りが僕の数個隣から届いた。

あいつが僕の足を蹴った。
僕はゆっくり顔を傾けた時彼女と目が合った。
彼女は「こんばんは」と僕にささやくとバーテンダーに向き直って
「軽く飲んできたからマンハッタンにしようかな」

間違いなく僕より年上で、まさにバリバリのキャリアガール
僕は無謀にも常套手段の「彼女の好きなものを作ってやって」と頼んでいた。

彼女は驚いた仕草も見せず、バーテンダーから差し出されたグラスを目の高さに掲げ
ーごちそうさまー って口が動いた。


なんでナンパしてたかって?
若気の至り・・・かな・・・・どっちが・・そう・・もてるかなって・・・。
あいつ?
あいつは僕から見ても格好いいんだ、今だって ーチョイ悪ー系 でいい線いってるよ。


僕が彼女に気を取られているすきにあいつは次に入っていたかなり年上の女性じゃなくって、
その後の若い女の子をちゃっかり掴まえていた。
ーズルイぞー って
あいつの足を蹴ったんだけど、あいつは知らんぷりして女の子のウエストに手を回して
 ーじゃあな、お先にー

僕が残された。



彼女がクスッと笑った。
全部見てたんだ・・・・・僕は・・・開き直った。

「一緒に飲みませんか」

顔色ひとつ変えずに強いお酒を飲む彼女に僕のペースは乱れた。


気が付くと彼女に支えられ自宅の傍の道を歩いていた。

「気が付いた?大丈夫?タクシーにしっかり指示を出していたから・・・・」

僕は恥ずかしさで彼女の口を塞ぎたくって貪るように唇を合わせた。
なんの反応もしない彼女に僕は虚しさを感じ、乱暴に彼女の肩を押して突き放した。
打ちのめされたように僕は俯いて佇んでいた。



彼女はそっと近寄ると、僕の顎に手をあて唇を押しあてた。

まるで僕が存分に味わい、奪い、与え、受けとめられるかのように彼女が口を開いた。

スリリングで甘美な感情が体の芯まで伝わった。

僕の体が暴走を始めようとしたとき、彼女がゆっくりとした動きで離れた。
僕は呻き声を上げた。



「年上をからかうなんて無謀よ」



あれから幾度もあの店で彼女にあった。
彼女は友人を伴ったり、あの時のようにひとりであったり、ときには男性と。


彼女のカクテルに濡れた唇をみるとあの時の感覚が蘇り、お腹の辺りに蝶が舞う。
でも・・・・・・あれっきり。


時間が歳月が僕と彼女を不思議な関係に導く。
あれから10年
僕は彼女をヌナと呼ぶ、そうだ彼女は僕のことをどう呼びかけるんだっけ?


彼女は僕の名前を呼んだことがない。.




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