To the future ―星の揺りかご― 
おまけ

「爺やと婆やの役目は終わったようですね」
「でも本当の爺やと婆やになりましたね」
「あら、それは次長だけですよ。わたしは違います」
「やれやれ・・・さあ、飲みに行きますか」
「・・・・そうですね、今日はとことんつき合ってくださいね」
「・・・・・やれやれ・・・・」
 
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「美久、迎えに来たよ」
 
美久の母のたっての希望で急遽日本での結婚写真を撮ることになった。
「ユソン君出来たわよ、見てやって」
息をのむ美しさとはこのことだと初めて知った。
「ユソン君、日本の花嫁よ。白無垢は打ち掛けの中でも花嫁の祈りが込められた最高の衣なのよ。白は神の色、源の色、すべての色のもとなのよ。私たちの宝をユソン君あなたに託すのよ・・・・・・」
「お母さん・・ありがとうございます」
「美久、世界がいくら狭くなったとはいえ、日本とアメリカはまだまだ遠いんだ、これから先私たちに何かあったとしても決して急ぐことはないよ、まずユソン君のことを1番に考えることだ、それからでいいんだよ」
「・・・お父さん・・・・ありがとう」
 
 
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「ねえ、それからどうしたの」
「男の子は女の子を一目で気に入りました。ふたりは湖に遊びに行くことにしました」
「ねえ、それってデートっていうだよ」
「あら、みらいくんよく知ってるのね」
「あいだってしってるもん」
「そうよね、あいちゃん」
「男の子と女の子は湖で影踏みをして遊びました・・・」
「それから雪だるまも作ったのよね」
「あら、あいちゃん覚えてるの」
「うん、だっておばあちゃまのお話大好きなんだもん」
「ぼくはおじいちゃまのおほしさまのおはなしがすき」
 
ー愛、未来、お散歩に行くわよー
ーパパとママだけで行っちゃうぞー
 
「あ〜ん、まってパパ、おばあちゃままた後でね。チュッ」
「ママ〜ぼくも〜、おじいちゃままっててね。チュッ」
 
 
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「ここに来るのは何年ぶりかしら」
「{不可能の家}って言ったね、不思議な名前だね」
「この坂を上りきったら見えるわよ」
「わあーすごい、森の中の家って表現がぴったりだね」
「ほんとに木がものすごく大きくなってるわ、でも2階の窓が見えるわね」
「・・・・・・・ねえ、愛・・・
 僕にはあの窓に・・・・・誰か・・・寄り添って立ってるのが見えるけど」
「・・・・・まさか・・・」
 
夏の日差しを浴び輝いていた
愛の胸のペンダントが{不可能の家}に近づくにつれ光を増していた。






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